ほのぼの日記  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

嵐の日に・・・


 こんばんわ。私、"かりん"って呼ばれています。
何で"かりん"って名前なのか、よく分らないけど・・・
名前を呼ばれた時、仮ママや仮パパのところに
急いで駆け寄ると、とっても喜んでもらえるから、
何だかよく分らないけど、いっぱい撫でてもらえるから・・・、
だから"かりん"って名前、私は嫌いじゃない・・・かな。


 私は、今まで何処に住んでいたのか分りません。
急にお空が真っ暗になり、嵐みたいな天気の日、
大きな音と・強い風と雨戸をガタガタと揺らす音に
私は恐怖のあまり、パニックを起こして、
オウチを飛び出してしまいました。
 いつもならね・・・簡単にオウチに戻れるはずだった。
だって、この道は、いつもお散歩の時に通ってたし、
嗅いだことのある匂いばっかりだった。
友達もいっぱいいたから、私が合図を送れば
友達が答えてくれて、今居る場所も分るし、
本当なら帰れるはずだったの。

 だけど、あの日だけは、どんなに叫んでも、
どんなに呼び続けても私の声は、大きな音にかき消されてしまい、
誰一人として答えてはくれませんでした。

 それでも雷はゴロゴロ。叩きつけるような雨に、
私は戻る道は勿論のこと、どの方向へ進んでいいのかも分らず、
あの大きな音から逃げたくて、ただただ・・・歩いた。
      
    とにかく、音のしない方へと。
     私を守ってくれるであろう、
     優しく明るく照らす方へと。

 何分・・・いや、何時間、歩き続けたのかも分らないけど、
ある建物が私の目の前に飛び込んできた。
「ここに、いれば雨風はしのげる。
     もしかしたら、助けてもらえるかもしれない。
     パパとママが私を探しに来てくれて、
     迎えに来てくれるかもしれない。」
そう思って、この建物に逃げ込みました。
知らない・見たことも無い・嗅いだことのない場所に脚はすくみ、
身体もブルブルと振るえ、帰りたくても帰れずに、
私はその場にうずくまってしまいました。

 そんな時「どうしたの?」と、優しく声を掛けてくれた方がいて
私は、その方に保護してもらいました。
あれから3ヶ月以上、たったけど・・・私を探し出すこともしてくれなかった
家族はどうしてるのでしょう?
もう、私のコトを忘れてしまったのかなぁ?って思うと寂しい気持ちで
いっぱいになるけど今は、perro dogs home という愛護団体で
保護されて、色んなスタッフさんに大事にしてもらっています。

 今も、あの日のお空の色や強い風の日。サッシに叩きつけるような
強い雨の日には、その時のことを思い出し、落ち着きが無くなったり
その場から逃げ出そうとしちゃうコトもあるけど、
「大丈夫だよ。守ってあげるから。もう迷子になんてさせないから」と、
私をギュッと強く抱きしめ、安心させてくれるような
そんな温かな、ご家族に出会えるコトが出来たらいいなぁ〜なんて
思っています。

 自分で言うのもなんだけど・・・お留守番・オトイレ・コマンド全て
完璧に出来るし、優等生タイプの女の子です。
ちょっとビビリで甘えん坊で、他のワンちゃんに対しては、
ほんの少〜しだけイバリん坊だけど、こんな私に会いたいと思って下さる方が
いらしたら是非、perro dogs home までご連絡下さいmU_ _Umペコ




2008年12月16日(火) No.62