- 2013/09/21
預り犬テンテンの思い出

2011年の夏、当会の引き出し担当者から「センターに小さめの毛玉ちゃんがいるんだけど、どうかしら?」と電話がありました。

『小さめの毛玉ちゃん』とはずい分可愛らしい表現ですが、実際には黒い毛に土と汚物を練り込んで固めたような物体で、頭部らしきものが見え、脚が4本出ていることでかろうじて生き物だと分かるような状態でした。私は毛玉ちゃんを預かることに決め、保護中の仮名を「テンテン」としました。保護活動をしている人には誰でも、トリミングをして犬が劇的に変わる様子に驚いた経験があると思います。「こんなにかわいいシーズーだったのね」とか、「意外に若そうだわ」とか、嬉しい驚きに目を見張ったこともあるのではないかと思います。

しかしテンテンの場合、嬉しい驚きではありませんでした。腹部が膨れ、胸は垂れ下がり、皮膚は斑に赤く、目は白濁し、爪は伸び放題、耳の中は腫れて化膿し、半分ほどしかない歯は歯石でおおわれて口からはみ出していました。正直に言えば、何とも不可思議で異様、犬というよりは巨大なネズミのように見えました。

不可思議な、というのは容姿だけの印象ではありませんでした。全くの無表情で、目は何も見えていないような様子、我が家で先住犬たちに囲まれても無反応、鼻先に出した私の手を嗅ぐことさえしませんでした。抱き上げようとすると四肢を突っ張らせ、「キュー」というような音を出しました。テンテンが我が家での初日にしたことは、「息をすること」と「目を背けること」だけでした。

しかし翌日、テンテンは息をすることすら辛そうで、サークルの隅にうずくまったままピクリとも動かなくなっており、私は焦ってすぐに病院に連れて行きました。診断結果は、肺水腫、膀胱炎などなどなどで、どれもかなり重度とのこと。さらに重度の肥満。当会ではセンター引き出し後すぐに、不妊手術やワクチン接種など一通りの医療施術をするのですが、テンテンはどれもできる状態ではありませんでした。
家に連れて帰っても、私にできることは病院からもらった薬を投与することと、耳洗浄くらいしかありませんでした。人の手を怖がる子を抑えつけてケアすることは辛く、また苦しんでいるのを目の当たりにしながら役に立てないことが、とても悲しくやりきれない思いでした。

皮膚と耳の痒みがひどく、いつも長い爪で掻いていたので、冷たいタオルを当てたり、そっと撫でさすったり、自己流のマッサージをしてみたりしました。私は何とかして「人の手は悪くないものだよ、あなたが好きだよ、あなたは頑張って生きなくてはいけないよ」と伝えたいと思っていました。テンテンは一度も吠えることも唸ることもなく、体を固くして時々キューっと鳴くだけで、すべてのことを受け入れてくれていました。

そうしているうちに徐々に、テンテンは変わってきました。私が近づくと尻尾を振ったり、家の中や先住犬のにおいをクンクンしたり、ご飯の用意をしているとワフっと小さく吠えたりという、犬らしい様子を見せるようになったのです。また肺炎や膀胱炎、皮膚炎などの症状もかなり改善され、体力もつき、時折家の中を走り回ったりするようにもなりました。さらにしばらくすると、私の後をついて回るようになり、抱き上げると安心して体を丸めて眠るようにもなりました。我が家での生活ルールや室内トイレも覚え、家庭犬としてもどんどん進化していきました。治療と減量がほぼ完了した頃に、不妊手術を受けました。そしてワクチン接種後にはお散歩デビューも果たしました。初めは外に連れ出すだけでガタガタ震えて私にしがみつき、地面に降ろすと腰が抜けて立てませんでしたが、何とか励まし、抱っこして景色を眺めたり、テンテンのペースに合わせてゆっくり歩いたりして外の世界に慣れさせました。デビューして1ヶ月ほどで、テンテンは先住犬と変わらないくらい楽しそうに歩けるようになりました。

センターから引き出してほんの3ヶ月程で、テンテンは精神面も健康面も外見も劇的に変わりました。シュナウザーらしい白い眉毛の下にある丸くつぶらな瞳は、白濁してはいても、ぱっちり開かれて世界をしっかり見つめていました。ちょこまかした動きは愛嬌たっぷりで、お茶目で能天気な性格は愛らしく、素直で愛情深い、とても素敵な女の子になりました。おそらく繁殖犬であったテンテンを、ひどい目に合わせたのは人間です。生まれてからずっと、愛情をかけられることも、適切な環境を与えられることもなく、過酷な日々を送ってきたであろうテンテンが、短期間で人に心を開き、愛情を覚え、ニコニコ笑って人について回っているのですから、私は感心せずにはいられませんでした。小さく儚(はかな)げで可愛らしいテンテンに備わった、強い生命力と大きな心を見て、私はテンテンだけでなく、犬という生き物の偉大さと素晴らしさを改めて強く感じました。

大げさに聞こえるかもしれませんが、私はテンテンの頑張りに感動し、「この世に生まれたからには、ぼんやりしていてはいけない。生きていることに感謝しなくてはいけない」と思い知りました。テンテンと過ごした4ヶ月間、私はかつてなく前向きで活力に溢れていたように思います。
テンテンと暮らした日々の思い出は、今でも私の中でキラキラと輝いています。

テンテンは今、目や歯のこと、過去に体の至る所に不具合があったことなどすべてを受け入れてくれた新しい家族の下で、のびのび幸せに暮らしています。(T)


※この文章は神奈川県動物保護センターの発行する「登録ボランティア通信」の第5号に掲載されたものを転載いたしました。「テンテン」は神奈川県動物保護センターから引き出した当会の保護犬(募集番号280c)です。


- 2009/06/29
しつけ

想像力をふくらませて、こんなシーンを思いうかべてください——
あなたは知らない星でペットとして飼われました。
言葉も分からなし、知り合いも誰もいません。
ソファのような物があったのであなたはそれに座ってみました。
すると飼い主の宇宙人が大声をあげてあなたを叱ります。
ビックリしたあなたはひとまずソファから飛び降りました。
おもちゃのような物があったので、ヒマだったあなたはそれで遊んでみました。
すると飼い主は大声をあげ、大きな音をたててあなたを叱ります。
叱られた時は飼い主のことがとても怖いです。
でも時々あなたのことを優しく抱きしめたり声をかけてくれるので、飼い主のことは大好きです。
あなたはあなたのルールの中でさまざまなことをしようとしますが、どうやらこの星ではそのルールが違うようです。
この星のルールがあなたには分かりません。
正しいと思うことをしているだけなのに、とても恐い顔で大声で叱られます。
叱られる時は飼い主の宇宙人のことがとても怖くて部屋の隅で小さくなっています。
飼い主の宇宙人がいないときにはゆっくり羽を伸ばして好きなことをし、いるときは覇気がなくなりおとなしくして何もしないことにしました。
江戸時代の町人が突然、フランス宮廷料理のテーブルにつかされたときのことを考えてみてもいいかもしれません。
そこには箸や膳や椀はなく、ピカピカした金属製の道具がたくさん並んでいます。
彼には何ひとつわかりません。そこが食事の場所であるということすら。
誰もきちんとしたルールを教えてくれず、マナーに反した行動をすれば叩かれるとしたらどうでしょう。
叩かれないためには、何もしないという選択しかありません……。

高い知性を持つと自負している人間でさえ、なんの予備知識も与えられないまま突然知らない世界に放り込まれれば混乱します。
ましてや理由もわからず肉体的な苦痛を与えられると、ショック状態に陥って無力になります。
放心状態のまま高圧的な命令にのろのろと従うようになるかもしれません。
いっさいの喜びを感じずに……。

今あなたの傍らにいる犬に、似たことが起こっていないでしょうか。
彼らは全く違うルールを持って生まれてきました。
この社会に必要なルールを知りません。
誰かが教えてあげる必要があります。
それは決して叱ることではありません。
犬に分かりやすい合図で誘導する、そしてそれができたら褒めて、褒美になるものを与えるだけで良いのです。

犬が従わないといってやみくもに叱ること——罰を使うのは、効果がないばかりでなく、ときとして逆効果になることがあります。
本当は犬ではなく、ルールを教えられない飼い主自身こそが責めを負うべきなのです。

昔から軍用犬など使役犬を作るために罰を使ったしつけがなされてきました。
でも、あなたのそばにいるのは家庭犬です。
何かを教えるのにいきなり罰を使う「先罰」的なやり方はそろそろやめにすべきではないでしょうか。
ショックを与えるなどのリードに頼ったしつけは、一見、非常に有効です。
訓練所などでは、目の前で訓練士さんがリードを自在に使ってめざましい効果を見せてくれることもあります。
しかし多くの場合、犬はショックが嫌だからその場の指示に従っているだけです。
この点を誤解すると、家に連れて帰って「あれ、やっぱり何もできないじゃないか」とガックリすることになります。

もうひとつの誤解は、すべてを「アルファ」という言葉でくくってしまうことからはじまります。
唸るから、噛みつくからアルファですか?
足を触られることを嫌う……ほら権勢症だ、と。
アルファのレッテルをはられている犬がどれだけいるでしょうか。
たったひとつの言葉だけで、犬が唸ったり噛んだりする理由を説明するには無理があります。
私たち自身がわかったような気になっているだけです。
さまざまな要因の積み重なりをひとつひとつていねいにほぐしていってあげる努力を怠ってはなりません。

フェアで適切なトレーニングをおこなえば、犬はどんどん言葉を理解し、トレーニング自体が好きになっていきます。
だって、犬は飼い主のあなたのことが大好きなはずですから。(H)

- 2009/05/24
魔法の薬

話題になった『ハチはなぜ大量死したのか』(ローワン・ジェイコブセン著、中里京子訳、文藝春秋刊)を読んでいて、日ごろよく見知っているものに出会いました。
「イミダクロプリド」は、もっとも人気の高いネオニコチノイド系農薬で、世界で今もっとも売れている殺虫剤の多くに使われている。
 この薬剤は単に農作物に使われているだけではない。ペットにノミ駆除剤の「アドバンテージ」を使っているなら、あなたもイミダクロプリドの利用者だ。ここでもこの薬剤は完璧に働く。たとえどれだけ犬や猫が体をなめようと、ペットを殺さずにノミだけを殺してくれるのだから。(同書116p)
しかしハチにとってこの化学物質は厄災ともいうべき作用をもたらすのです。
同書によれば、自国のミツバチコロニーの大量消滅に驚いたフランス農業省は、ガウチョ(イミダクロプリドを主成分とする農薬)の危険性についてパスツール研究所などに共同調査を要請。その報告を受けて、フランスでは、ヒマワリに対するガウチョの使用禁止措置が無期限に延期されたといいます。

その少し先には、もうひとつのお馴染みの化学物質が登場します。
二〇〇四年四月に、フランスの農業大臣は、トウモロコシについてもガウチョの使用を禁止することを発表したからだ。おまけに彼は、もうひとつの浸透性農薬であるフィプロニルを含む他の六種類の農薬も禁止した。(同書124p)
フィプロニル?
そう、愛犬家で知らぬ者はいないノミ・ダニ駆除剤「フロントライン」の主成分です。

私たちがお世話になっているノミ・ダニ駆除剤は、煎じつめてみれば「農薬」と同じ化学物質でできているという事実は理解しておく必要があります。
「国際化学物質安全性カード(WHO/IPCS/ILO)」のフィプロニルの項には、「この物質を環境中に放出してはならない」という記述があります。

前掲書には、こうした化学物質(農薬)が極微量でいかにミツバチのコロニーに壊滅的な影響を与えうるかが詳しく書かれています。
また、複数の化学物質(著者は「毒カクテル」と呼んでいる)による複合的な影響について、まったく検証がおこなわれていない事実についても指摘しています。

フロントラインやアドバンテージの便利さについては、私たちはそれこそ骨身にしみて知っています。
毎年春以降に繰り広げられていたノミとの果てしないバトルは、フロントラインなどの登場によって終止符を打たれ、飼い主の側が圧勝した――はずです。
ノミ被害に悩んでいた愛犬・愛猫家にとっては、まさに魔法の薬の登場に思えました。

しかし、その局所的な勝利のツケが、どこかに回っている可能性はないのでしょうか。

そう書くと、多くの愛犬家の皆さんは、犬の健康被害をイメージされるに違いありません。「フロントラインは安全ではないのか」と。いや実際、フィプロニルには、長期毒性や催奇性が完全に検証されていないのではないかという指摘もなされています(※)。耐性種の出現の問題もあります。

ですが、私がここで書きたいのは、そういうことではありません。

ミツバチの大量死は、養蜂家という存在があって、かろうじて私たちの知るところになりました。
しかし自然界に存在する私たちが名も知らぬ他の受粉昆虫(もちろんそれ以外の昆虫も)にどのようなことが起こっているのか、誰も関心を持たず、ほとんど研究も調査もなされていないという事実には慄然とせざるをえませんでした。
どこかでミツバチ同様の、あるいはそれを上回る大量絶滅がおこっていないとは誰にもいえないというのです。

フロントラインやアドバンテージなどの薬剤を使うなとはいいません。
製薬会社によって農薬が大量に製造され、世界中で洪水のように使用されている現実が他方にあるのに、そのスケールの差を無視したまま「ノミ・ダニ駆除剤の使用が自然環境を破壊する」と議論するナンセンスはわきまえているつもりです。
私自身、必要だと考えたときには、使います。

けれども、みだりに生態系に有害な化学物質を使うべきではない。これだけは間違いないと思います。
獣医師に「そろそろノミのお薬もつけておきましょうか」と尋ねられて、反射的に「お願いします」と答える前に、その薬がいま本当に必要なのかどうか胸に手を当てて考えてみてもいいのではないでしょうか。
3回の使用を1回に減らせるかもしれないし、もしかしたらそれで十分かもしれない。
ドッグフードの添加物にも気を配る愛犬家は、生態系に有毒な化学物質の使用について無頓着でいられるはずがないと思うのですが、いかがでしょうか。

「動物の権利(アニマルライト)」の考え方が、ピーター・シンガーらを旗手として1970年代に颯爽と登場してきたのはご存じのとおりです。
しかし、その「動物の権利」論者たちの頭に欠け落ちているものを、ルイス・リージェンスタインが、まったく同時代に次のように的確に衝いていたのを思いだします。(C)
「高等な」生物の無慈悲で、十分に記録が残されている絶滅は、残酷で無分別で、破壊的なものではあるが、それでも植物や軟体動物や甲かく類のようなもっと人目をひかない種の、さらに広範だがそれほど知られていない絶滅と比べると、色あせてみえるほどである。これらの生物の絶滅の速度は加速されている。
(中略)
 人びとは、「もっと高等な」種類の野生動物に対しては、その身になって考えるし、同情もする。しかし、残念ながら、さほど目立たないし魅力も乏しいが、固有の権利をもっており、皮肉なことに、複雑な脳や大きな目ややわらかい毛皮や魅力的な美しさをもっている動物より人類にとっては一層重要かもしれない生物たちは、なかなか視野に入ってこないのである。さらに動物たちが恐れたり苦しんだりせずに生きるという当然の権利を強調するあまり、アニマル・ライトの擁護者たちは、このような動物たちの生態系、ひいては人類にとっての価値については、控えめにしか言わなかった。(『動物の権利』ピーター・シンガー編、戸田清訳、技術と人間刊)
 
※付注
「安全衛生情報センター」の「製品安全データシート」には、フィプロニルについて次のような記載もある。ただしもちろんこの記載は、「フロントライン」などの通常の使用にそのままあてはまるわけではないので注意していただきたい。
水生動物に強い危険性があることは、私たち自身の日常的取扱いのうえでよく承知しておくべきだろう。
危険有害性情報
飲み込むと有毒
吸入すると有毒
生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
神経系の障害
長期又は反復ばく露による神経系の障害
長期又は反復ばく露による肝臓、甲状腺の障害のおそれ
水生生物に非常に強い毒性
長期的影響により水生生物に非常に強い毒性

- 2009/05/19
一人暮らしだから譲渡する?

ホームページをいつもご覧になってくださっている皆様、応募してくださっている皆様、ありがとうござます。

たくさんのボランティア愛護団体があり、「一人暮らし不可」「高齢者不可」「留守時間の多い方はご遠慮ください」など、犬の譲渡条件もさまざまです。
一度飼い主から見捨てられた犬達が次こそは一生幸せに暮らせるよう、条件が厳しくなるのはもっともな話です。

せっかく善意で応募したのに、上記のような理由で断られてショックを受けた方も多いでしょう。
いただいた温かいお申し出をお断りしなければならないのは、じつはお断わりする側も心苦しいのです。

ペロでは「一人暮らし」であっても、お断りする場合と、お断りしない場合があります。
その他の条件についても同じです。

一匹の犬にたくさんの方からご応募をいただき、その中に「一人暮らし」の方と「家族形態」の方があったとしたら、留守時間やいろいろな条件を見て、実際にお話させていただいて、「一人暮らし」の方をお断りする場合があります。

しかし、犬にとっての幸せは、その犬の個性に応じたさまざまなかたちがあると考えています。
今までも「一人暮らし」の方「高齢者」の方にたくさんの犬を譲渡してきました。
その分「後見人」についての基準を満たしていただくよう、しっかりとお願いをしています。

その犬の性格もあります。
寂しがりやで大勢の家族の中で暮らすのが良い犬、小さい子供が苦手な犬、一人にしか懐きにくい犬、愛情を独り占めしたい犬……。
そうしたことを考慮して、「一人暮らし」だからお断りする場合も、逆に「一人暮らし」だから譲渡できる場合もあります。

「せっかく保護犬をもらおうと思ったのに厳しいことばかり」と思われる方、「だったらペットショップから買う」と思われる方もあるかもしれません。
一度は見捨てられた犬のことだからこそ、慎重になるのをどうかご理解ください。

そして、団体によって基準はさまざまです。
各団体がポリシーを持ってやっていることですので、それぞれの団体のホームページなどをのぞいてみることをおすすめします。(H)


- 2008/08/08
ノーリードと飼い主

ドッグラン以外の場所では通常「ノーリード禁止」です。

散歩中、リードが離れた犬が突進してくることがありました。
飼い主は何か叫びながら後から走ってきますが犬は聞いちゃいません。

歯を剥きながら犬が走ってきたこともあります。

最初の犬はただ遊びたいだけ、後者の犬は明らかに攻撃を仕掛けようとしていました。

どちらも事なきを得ましたが、犬同士を近づけるには注意が必要ですよね。
近づく方の犬はフレンドリーなのかもしれないけれど、近づかれる犬の方は「イヌが苦手」かもしれません。
もしかしたら「噛みつくイヌ」かもしれません。
「イヌが苦手」な子は急に他のイヌに来られてパニックになり、怖い思いをするかもしれません。

イヌを近づける前には飼い主に了解をとるのが、トラブルを防ぐ最善策ですよね。
人間同士挨拶をすれば、相手も好意的なのかどうか分かるものです。

イヌが苦手な人の話を聞いたことがあります。
リードを付けて散歩している姿を遠くに見つけるだけで、とても怖くてその先にすすめないそうです。
それがノーリードのイヌであれば、たとえどんなにおとなしいイヌでも、感じる恐怖には計り知れないものがあるはずです。

飼い主さんは皆自分の愛犬が大好きで世界で一番だと思っていると思います。
私もそうです。
しかし、自分のイヌがフレンドリーだから、など自分のイヌを中心に考え過ぎず、世の中には色々な人、色々なイヌがいることを考えて生活していかなければならないと思います。

「うちの子は遠くへ行かないし、呼べは戻るから」と自負している飼い主さんも、もし犬が興奮状態になり、何かに夢中になったとき、本当に完全に呼び戻せますか?

社会への安全、愛犬の安全を守るのも飼い主さんなのです。(H)

- 2008/07/29
犬嫌いな犬

犬嫌いな犬、というのはよくいるものです。
他の犬が近づくと----「逃げる」「うなる」「吠える」「攻撃する」「固まる」「目を背ける」----などなど反応するものですが。

今回、私が初めて体験する反応に出会いました。

その犬Aは見るからに犬嫌い。
他の犬が近づくとサササっと逃げて壁紙の一つのように存在を消します。
楽天的な犬がしつこくすれば「ウー」とうなってみたり。
犬Aに、他の犬Bが「ウー」という場面に遭遇しました。
すると、犬嫌いの犬AはBを見つめたまま首をかしげています。
よく聞き慣れない音などに首をかしげている犬を見ることがありますよね、そんな感じです。
その犬Aは自分以外の犬が「ウー」とうなる意味が分からなかったのです。

私は衝撃を受けました。
そんな反応を見たことがありませんでした。
この犬はただの犬嫌いではなく、犬語が分からないのだと……。

通常犬嫌いは「社会性」のなさからくるものが多いですが、それでも相手にうなられれば何らかの行動を起こすものです。

この犬は、いったいどれだけ閉ざされた世界で生きてきたのだろう。それも小さいころから……(H)

- 2008/06/17
春の運動会

去る6月8日、ドッグランの一面を借り切ってPerro Dogs Home「春の運動会」がおこなわれました。
5月に開催を予定しましたが、雨天のため順延されていました。
幸い、今回は予報を裏切る好天で、楽しく開催することができました。

全部で40頭のワンコが集合し、参加した人間の数はそれをさらに上回りました。
広いドッグランが手狭に見えるほどでした。
Perroが譲渡した兄弟、姉妹、親子ワンコが再会する光景には、少なからず胸打つものがありました。(たとえ、お互い忘れているように見えたとしても)
参加した預かりボランティアも、かつて生活をともにした預かりワンコの元気な姿を前に感無量の様子でした。(たとえ、「あんた誰?」とワンコからすっかり忘れられていたとしても)

参加した皆さん、本当にお疲れさまでした。素晴らしい時間をありがとう。
また秋に盛大に! 再会を楽しみにしています。(C)

※春の運動会の写真ページを開設しました。どうぞご覧になってください。
http://ramdan.macserver.jp/0608/undokai.html

- 2008/02/18
しつけ教室&プチオフ会

2月17日、都内の室内ドッグランを借り切って、「しつけ教室&プチオフ会」を開きました。
40人近い人と20頭近くのワンコが勢揃いしました。
Perroを巣立ったワンコたちとの再会は、私たちにとって最高に嬉しい瞬間でした。
「犬も人も楽しく」をモットーに、アブラ汗、冷や汗などをかいていただきながら、講習にゲームにご参加いただきました。
ありがとうございました。
皆さんのおかげで、とても楽しい会になりました。

次は、春の運動会でお会いしましょう。


- 2008/01/24
1周年を迎えて

たくさんの方に支えられ、Perro Dogs Home も1周年を迎えることができました。
この場を借りて、心からお礼申しあげます。

ショートステイや、一時預かりをしてくださる皆さんは、保護犬を心身ともにゆっくりと休ませ、安らぎと喜びと、たくさんの楽しみを与えていただいています。
搬送を手伝ってくださる方、協力動物病院の方、物品や資金を援助してくださる方、このホームページを見て、陰ながら応援してくだる方々……。
そして、保護犬の里親として手をあげてくださった方。
その多くの方の善意の結集で、私たちはこの1年を乗り切ることができました。

また、保護犬たちも、私たちに多くの喜びと発見をさせてくれ、素晴らしい出会いを与えてくれました。
新しい家族とめぐり会った保護犬たちは、今頃のんびりと、家の中の一番心地よい場所であくびをしていることでしょう。

これからも、多くの方に支えられ私たちの活動があることを忘れずに、1歩ずつ前に進んでいきたいと思います。(N)

- 2008/01/01
飼い主さんとゲームする喜び

先日の「Perro運動会」には本当にたくさんの方に参加していただきました。
預かりさんと預かり犬、先住犬、お友達、新しい飼い主さんと卒業犬。
普段はネットでのやり取りばかりですので、こうして実際会えるのはとても嬉しいことです。
初めて会った犬達も、まったくそんな気はしません。
そして預かりさんと卒業犬の久々の再会もまた嬉しいことです。
預かっていた子達がとっても幸せそうな顔をして、当時のちょっとしたクセが見られたりすると思わず頬がほころびます。
一度は命の瀬戸際にいた子がこうやって愛情に包まれているのを見るのは、本当に活動をしていて良かったと思う瞬間です。
当日のゲームから2つを紹介します。

「スーパーシットミニ」
オスワリかフセで待ての持久戦です。
卒業犬たちもとてもがんばっていました。
保護当時は待てどころかオスワリもできなかった子も多かったのに、飼い主さんにたくさんのことを教えてもらって立派に待てができていました!

特に印象深かったのは、008番で募集していたMダックスのだっくん改めネギ改めエール君です。
はちゃはちゃの、ひと時も止まらないような、とっても楽しい子でしたが、真剣な眼差しでかなり長い待てができていました!

「一発芸」
何でもOK、得意技をみんなの前で披露していただきました。
普段家でできるオスワリだって、知らない場所でできれば素晴らしいことです。
予想を超える持ちネタをたくさん披露していただきました。
013番で募集していたMIXのモジャコ改め梅ちゃんはたくさんの技を披露してくれましたが、最後に指で輪を作った中に梅ちゃんの鼻をスポっと入れるという、なんとも可愛らしい姿を見せてくれました。
飼い主さんと一緒に何かをやるのは犬にとっても喜びであり、素晴らしいことだというのを見せていただきました。

他にもたくさんのゲームをしましたが、ここには書ききれない程の可愛らしい素晴らしい飼い主さんとわんこの姿を見せていただきました。
また暖かくなったらお会いしましょう!(H)