お泊りWANKO  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

磨けば光るって?


僕が一番好きなこと、それはお散歩さっ♪



冬になってからは、たいていお昼頃に出発して60分〜90分くらい歩いているよ。
(僕はお庭で排泄できるから、お散歩は時間を決めずに一日一回でいいんだ。
おばちゃんの都合で朝や夜になることもあるよ)



おばちゃんと二人で、舗装道路は真っ直ぐグングン(脚側歩行)、
公園や山道はフラフラ(リードが張らない程度に自由行動)歩くのは、ものすごく楽しいんだ。
途中で顔見知りの人や知らない人とご挨拶するのも楽しいよ。
お昼頃はおよそのワンちゃんに会うことはめったにないんだけどね。



まだ時々、不慣れなものや苦手なものに出くわすこともあるけど
そんな時には僕は止まってじっと見つめ続けて、よーく考えるんだ。
考えてもわからない時はおばちゃんに「あれは何?大丈夫なもの?」って聞くよ。



おばちゃんが「大丈夫!」って言うものは、大丈夫なんだって、僕は知ってるよ。



****預かりおばちゃんより****

前回「善吉くんは磨けば磨くほど光る」と書きました。
トレーニングではあまり成果を期待できない善吉くんを「磨くとは何ぞや?」と
首を傾げてしまった方もいたことでしょう。
おばちゃんは善吉くんを「磨く」=「散歩する」と考えています。

強くて大きな善吉くんにとって、室内では「くつろぐ」以外のことはほとんどありませんから
なにかを新しく発見したり吸収することはもうあまりありません。
しかし外に出れば、神経をピンと張って、心も開いています。
そんな状態の時に一緒に行動することに意味があるように思うのです。

ただのんびりと並んで歩くだけでももちろんいいのですが、善吉くんが何を見て何を感じているのかをよく観察しながら歩く。
というか、一緒に見て、感じながら歩くことで、善吉くんもこちらに心を寄せてくれるように思います。
人間社会についてはこちらの方がずっと先輩ですから、善吉くんを誘導しながらともに経験することで
善吉くんは自然に磨かれていくという訳です。

善吉くんと長く歩いた直後に、先住犬と散歩に出ると「あれ?」と思うことがたまにあります。
見るもの聞くもの、ほんのちょっとした歩き癖などが少しずれているような感覚があるのです。
それはつまり善吉くんだけでなく、おばちゃんも善吉くんに磨かれている訳です。
一緒に歩くことでお互いに磨かれ、ぴったりフィットしてくるような気がしています。

ちなみに善吉くんはお散歩中の脚側歩行や「トマレ」や「スワレ」が出来ます。
しかしそれはただ合図を理解しているというだけで、それ以上でもそれ以下でもないように思います。

与えられた仕事を全うすることに喜びを感じる犬、抱っこされて愛撫されることをこよなく愛する犬など
犬によって最適な付き合い方は違ってくるでしょう。
善吉くんは「一緒に暮らす、一緒に歩く」パートナーとしてとても優秀です。
大きくて力も強いので、磨かれてフィットするまでに手間はかかるかもしれませんが
手間をかけるだけの価値がある、磨けば磨くほど光る善吉くんです。


※4枚目の写真のおじさまはかなりの大音量で浪曲の練習をされていました。
この後、善吉くんの視線に気づき、善吉くんに微笑みながら3分ほども唄ってくれました。
善吉くんはその間ずーっと見つめ続け、「浪曲に危険なし」と判断したようで、スタスタと歩き始めました。
善吉くん、浪曲はマスター(?)しましたよ。
通り過ぎる時、おじさまとおばちゃんはお互いに深々とお辞儀をしあいました。
ワンコと一緒だとこんなこともあるので、お散歩は本当に楽しいのです。
2016年01月13日(水) No.530