お泊りWANKO  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

ぬいちゃんとワンコ


この家にはワンコが2ついます。



お姉ちゃんは11歳で体重29キロ(ちょいおデブ)。
わたしは最初、このお姉ちゃんがちょっと怖かったです。
黒くて大きくて動きが乱暴だからです。
でもお姉ちゃんは平和主義だということがわかったので、もう怖くはありません。



でもわたしはお姉ちゃんにはかなり遠慮して、常にその動向をうかがっています。
お姉ちゃんの通る道を邪魔しないように気を付けていますし
お姉ちゃんのベッドであるソファには上がりませんし
お姉ちゃんにおもちゃをよこせと言われれば、すぐに譲りますし
布好きなわたしですが、お姉ちゃんが身に着けているバンダナなどをかじったりはしません。
わたしは良い妹に徹しています。


さて、もう1つのワンコ、お兄ちゃんは9歳で体重8キロです。
ご近所でも有名なヘタレで、その癖ひどく怒りっぽく、さらにマザコンです。
わたしがおばちゃん相手にキャッキャと弾けると、マザコン兄ちゃんは怒って
わたしに跳びかかってきて、首の辺りを抑え込もうとします。

わたしは礼節を重んじる方で、特に年功の礼は尽くしたいと思っています。
しかし、このヘタレ兄ちゃんを敬うというのはなかなか大変なことです。

お兄ちゃんが怒れば、わたしは非常な努力をして「怖れ入りました」というような顔をしてみせます。
しかしわたしも人の子・・・ではなくて、犬の子。
たまにはやり返したくもなります。

やり返すと言っても、わたしも平和主義ですから、お兄ちゃんの首のあたりを
手でくっと抑えるような、パシっと叩くようなことをするだけです。
するとすぐにおばちゃんがきて、お兄ちゃんを守り、わたしを叱るので
けんかになるようなことはありません。
お兄ちゃんがますますマザコンになるだけです。



まぁ、そんなことはこれまで3回くらいあっただけで、あとは至って平和に
つかず離れずの良い関係を築いていると自負しています。


お姉ちゃんは特に順位というものを気にしていないようですが
わたしは年長者を立てるということを知っているので
玄関や門を出る時、わたしはかならずお姉ちゃんお兄ちゃんの後に従います。
ちなみに最後に出るのは、ワンコお世話係兼お手伝いさんのおばちゃんです。
これは使用人ですから、序列に加える必要はないでしょう。


公道ではなく公園などでの自由行動では、もう無礼講です。



お姉ちゃんは我が道を行くという感じで、のんびり好きなように嗅ぎまわり
お兄ちゃんは他犬が嗅いでいるところに割り込むのが好きです。
わたしは、お姉ちゃんたちをちょっとは気にしつつも、フラフラします。

時々は3つの頭を寄せ合ってクンクンしたりもします。
けっこう楽しいです。


****預かりおばちゃんより****

まずは訂正。
ソファは先住犬のベッドではなく、家族みんなのソファです。
ぬいちゃんには「上がれ」とも「上がるな」とも言ったことはありませんが
何となく遠慮しているようで、これまで上がったことはありません。
それから、おばちゃんは使用人ではなく、この家のお母さんです!

ぬいちゃんは先住犬だけでなく、お散歩中に会うワンちゃんにも
礼儀正しく接することができます。
若い犬には活発に飛び跳ねて遊びたい様子を見せることもありますし
年老いて脚の弱った犬には、そっと優しく接しているように見えます。
敵意のある犬には、それがどんなに小さな犬でも、足早に通り過ぎ
かかわりを持ちたくないというような様子です。

相手次第でどのようにも接することができるようですが
すごく犬好きという訳でもなさそうです。
気が向いて気が合えば遊びたい気持ちになることもあるようですが
別にいないならいないでちっとも平気なようです。

わが家の先住犬ラブラドールもそうですが、
ぬいちゃんは人間を群れのリーダーというようには見ていないようです。
ぬいちゃんにとって、わが家のリーダーはラブラドールで
人間はもっと特別な存在、大好きで、面白くて、離れると辛くて、そしてちょっと怖いもの。
上手く言えませんが・・・
ぬいちゃんは穏やかな女の子で、器が大きく、自信があり、賢いので
自分を取り巻く環境を、冷静に鋭く理解しているのではないかなぁと思います。

・・・いずれにしろ、
リーダーシップなど少しも持ち合わせていないおばちゃんがお世話係でも
ぬいちゃんと先住犬、ぬいちゃんとおばちゃん、ぬいちゃんと他の家族が
とても良い関係を保っているのは、犬たちのおかげだと思っています。









2013年08月10日(土) No.328

No. PASS