お泊りWANKO  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

預かり初日のこと


今日はさかのぼって、この家にきた最初の日のことを書きます。


センターから出る時、わたしは腰の方まである大きな胴輪を付けられました。
わたしはそういうものを付けたことがなかったから困りました。
やめてよ〜!とちょっと暴れてみたりしましたが
それは一応意思表示をしてみたまでであって、すぐにおとなしくしました。

この胴輪には背中に取っ手がついていて
いざ!という時には、おばちゃんはわたしを宙吊りにするつもりだったようです。


前にも言ったように、この家には大きな黒い姉さん(ラブラドール)と
小さくて地味な兄さん(M.シュナウザー)がいるから
初対面でいきなり大ゲンカなんてことにならないように
おばちゃんは背中の取っ手を持ちながら、慎重にわたしたちを会わせました。

姉さんと兄さんはわたしのお尻をひとしきりフガフガ嗅いで
何やら納得したようで、あとは知らんぷりでした。
わたしはその間、じっと静かに立って、嗅ぎやすいようにしていました。
わたしの方は・・・はっきり言って、姉さんにも兄さんにも興味がわきませんでした。
魅力も脅威もまったく感じなかったから、興味がない、そして敵意もないということを
完全なる無関心で伝えました。これはうまく伝わったようです。

こうして姉さん兄さんとの共同生活はあっけない程すんなりはじまり
わたしは宙吊りにされずにすんだのでした。


家についてしばらくしたら、おばちゃんはわたしに座布団をすすめてくれました。
でもわたしは遠慮というものを知っているので、座りませんでした。
しばらくウロウロしていたのですが、やっぱり座りたくなってきたので考えました。
おばちゃんはどこでもいいよと言ったけれど、わたしはどこでもという訳にはいきません。
だから・・


四角の上に座ってみました。
ちょうどわたしの体の大きさにぴったりだし
四角の線が何となくより所になるような気がしたからです。
これは後から聞いたのですが、床下収納のフタなのだそうです。
2,3日はここが気に入って、いつも座っていましたが
今はすすめられた座布団に座っています。
遠慮も過ぎれば失礼になるということも、わたしは知っているのです。

それからおばちゃんは、わたしを何回も白くてペラペラのシーツの上に連れて行きました。
そして「シーシー」と鳴きました。
このおばちゃんは変な声で鳴くのだなぁと驚きました。

わたしの寝床はこのような粗末なシーツなのかと内心暗澹たる気持ちでしたが
そのような気持ちは顔に出さず、今度は素直にペラペラの上に座りました。
するとおばちゃんは「違う!違う〜」と言いました。
そしてまた「シーシー」と鳴きました。
訳がわかりません。

これも後から聞いたのですが、トイレシートというもので
おばちゃんはそこでおしっこをしたらいいと思う!と言っていたようです。

・・・そんなこと、ありえません!
おしっこは空の下でするものと決まっています。
わたしはわたしの信念を貫き
トイレシーツなどというものでおしっこは絶対にしないと心に誓いました。
でも寝床としてのトイレシーツは悪くないとわかり、時々つかっています。

こうしてこの家での初めの日は、わたしにとってはとても大変でしたが
おばちゃんや姉さん兄さんにとっては、非常にすんなりつつがなく過ぎたのです。

わたしはとてもよく頑張ったと思います。
おばちゃんも、ぬいちゃん偉いね!と何度も言ってくれました。

2013年03月25日(月) No.299

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