塞翁が犬  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

秋の夜長に


昔 むかし おばあさんが川に洗濯にいくと
大きなカボチャがどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました。

「大きくなりすぎたかぼちゃは大味で美味しくないけど」
と言いながら切ると、中からそれはそれは可愛いダックスフンドの
男の子が出てきました。

一人暮らしのおばあさんは喜んでその子を育てることにしました。
おばあさんはビロードのようなきれいな毛なみでハンサムなこの子がいとおしくて、おねだりされるものをすべて与えていました。

しかしだんだんと我儘な要求が多くなり、おばあさんは彼の要求が苦痛になってきて
しかるべき人に相談すると「声帯の手術をしたらどうだ」と言われました。

悪い仲間と仲よしになってオレオレ詐欺に加担するようになっては困るので
その手術を受けました。

少しは改心しましたが、段々とまた声が出るようになりました。
その頃からおばあさんは体調がすぐれなくなりました。

「この子は私がいなくなったらどうなるのだろう] と
心配しながら過ごすようになりました。

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秋の夜長 預かりおばさんの妄想でした。


バズはただの我儘な坊っちゃんです。
苦労をしていないぶん、性根はねじ曲がっていません。

根気と時間はかかりますが、好青年になってくれると信じています。




2014年10月21日(火) No.153