俺 流  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

交友録----うえ(1)



▲うえ(右)とボニーの水遊び


というわけで、ボニーの交友関係はじつに多彩である。
しかし親友と呼べる相手は、いまのところ2頭だけだろうと思う。
ラブMIXの「うえ」と、ラフ・コリーのユーリである。

まず、うえの話から。
うえはもともとPerro Dogs Homeの保護犬である。
黒ラブ的な母親(ラブMIXかもしれない)と和的MIXの父親から産まれた6頭の子のうちの1頭だった。
Perroの預かり宅にいる間の名前は「ジュリア」といい、私の預かり日記にも登場している。(2009年10月22日、11月21日・25日の日記)

2009年の5月に新しい家庭に譲渡されていったジュリアは、今年2月に会に戻ってきた。
いろいろ事情があったようだが、原因のひとつに、この子の消耗をまったく知らない心身のエネルギーがあったであろうことは、私にも容易に想像がつく。
1年半ぶりに再会したジュリアは、かなり折り目正しく変身していた。
飼い主さんがシツケに力をそそいでいたという話は以前に聞いていた。
戻ってきたジュリアを見ると、その苦労は十分に報われている印象だった。
リードを持って歩くと、私の横にぴたりとついて歩く。
コマンドへの反応も迅速快適。「ハウス」など命じるか命じないかのうちに率先して自分からクレートに入っていく。





ご幼少のころの"ブラックデビル"的ジュリア、幼稚園での悪童ぶりを知っているだけに、ここまでにするにはどれほどのご苦労があったろうかと思う。
いうなれば飼い主さんは、子犬から成犬に至るいちばん困難な時期を乗り越え、さあこれからというときにこの子を手放したわけである。

ジュリアはこれ以前にもトライアルで1度戻ってきている。
いままた、新しい飼い主さんを見つけなくてはならない。
誰にでも飼える子ではないだけに、時間がかかるだろうと私たちは感じていた。
ところが、私は少し驚いたのだが、Perroのスタッフの1人がすぐさま、この子を飼いたいと申し出たのである。

そして、名前が「うえ」になった。
妙ちきりんな名前である。
その、うえが、いまやボニーの最高最良の仲よしとなったのである。



▲毛色は対照的だが、体格はほとんど同じだ


※自分の日記を読み返してみて、訂正すべき大事な点があることに気づいたので、ここに書きます。

前々回の日記で私は次のように書いている。

「(人の感情に共感する)特質がとくに強いのがラブであり、ボニーであると私は思う。」

これは私の明らかな間違いだと思う。
人の感情に共感できるかどうかは、もとより犬種で決まるようなものではない。
どの犬にも、人の感情に共感できる能力は備わっている。
久しぶりにラフ・コリーのユーリと(短時日であるが)暮らして、ほとほと感じ入った。

ラブに特徴的なのは、「共感」というより「共有」だと思う。
感情や生活、行動を他者(人であれ犬であれ)と密接に共有したいという欲求――それこそがラブに強く感じられる特性ではないだろうか。
そのように思います。
2011年12月01日(木) No.125