俺 流  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

サクとカンペイ(1)



行きますわよ〜!!

先日、「カンペイとサクちゃんは同居しているんですよね」とサクの預かりボラ(「幸せ日記」*「新しい家族を迎えて」=女性)に話した人があったそうだ。
つ、つまりその人は、私とサクの預かりボラさんが同居してると考えたわけだよね(震え声)。
むろん私は同居しても全然かまわない。明日からでもOKである。
しかし年齢的に私より二回り近く若いサクの預かりボラさんは、電話の声から判断するところでは、どうもあまり嬉しそうではなかった。

預かり日記は断片的なエピソードの寄せ集めになるし、こちらの筆力が足りないので、どうしても事実とは少し違った受けとめられ方をされがちである。

以前、サンペイという名前の柴犬(スタッフの1人の愛犬)を1週間ほど預かったことがある。(じつはいまもまさにわが家にきている)
私はそのときのテツとサンペイのあれこれを日記に書いた。
その後、わが家の老先住犬が死に、そのことを日記に書いた。
すると、「サンペイちゃん亡くなったんですか」とメールに書いてきた方がいて仰天した。

*=サクの預かりボランティアさんの日記を「幸せ日記」と書いていましたが、「新しい家族を迎えて」の誤りでした。両日記の筆者さんにお詫びします。


サクの赤ちゃん時代

本当のところは、サクがわが家にいたのは5月初旬に10日間ほど、6月中旬に1泊、7月末に1泊。これだけだ。
しかしこれはとびきり愉快で、じつに興味深い体験だった。(カンペイの排泄混乱劇は除く)

カンペイと私というモノクロームなオヤジ×2にサクが加わると、生活のあちこちに断然豊かな色がのるのだった。
サクは最初にわが家にやってきたときには、まだ10か月齢に満たないほんの小娘だったが、ただちにカンペイの実力を見切り、つねに見下ろしかげんに(あるいは女王然として)接していた。
たとえば、サクが牛皮のカケラなどをくちゃくちゃ噛んでいるときに、カンペイがものほしげに近づいていくとする。
サクがどんな反応を見せるか私は注視していた。
ウ〜〜と威嚇するのか、黙って噛みつづけるか。
反応は予想外だった。
ウガッと一声強烈に威嚇すると、後ずさりするカンペイを1メートル近くもウゲゲガッと野蛮な声をあげて追撃したのである。
サクは本来まったく攻撃的なところのない犬なのだが、弱っちい男・カンペイ相手にはこういうハシタナイ振る舞いを見せるのだった。


こうして体をぶつける

けれどもその一方で、サクはカンペイをどこか頼りにしているように見えた。
散歩に出かけると、カンペイと50〜60cmぐらいの間隔で並んで歩いていたサクはときどき、すっとカンペイのほうに近づいていき、トンとカンペイに体をぶつけていた。
どう見ても親愛の表現だった。
カンペイは無表情だったが、まんざらでもない様子だった。

サクが帰った後、カンペイは散歩で出会う犬すべてに親しげに近づいていくようになった。
サクとの経験が楽しい記憶として残ったに違いない。
こういう点、カンペイは間違いなくウブで純情なのだ。
(その後、主に「うえ」(ラブMIX♀)からいろいろツライ目にあわされるなどして、自ら親しげに他の犬に近づいていく態度は消えうせた)

2012年08月06日(月) No.145

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