俺 流  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

わが目の悪魔


ソファに横になってひと休みしてると、目の前をはずむような足どりでコリーが駆け抜けていった。
なんとかわいい……。
しかし待てよ、口に白いものをくわえているように見えたアレはなんだったのか。
ガバッと私は跳ね起き、コリーが走りこんでいった部屋へ駆けこんだ。
新品のトイレットペーパーだった。いや、正確には、つい数十秒ほど前まで新品だったものだ――。



上の写真を見て、何をお感じになるだろうか。
「まあ、かわいい子」……?
もう少しモノゴトの裏側を見る訓練をなさったほうがよろしい。
コリーの子が片手で押さえているのは、かつて孫の手と呼ばれていたものだ。
その先端は、すだれとフォークの中間のような何かに変わっていて、これで背中をかけば間違いなく血だらけになる。
さて、この場を上から俯瞰したものが次の写真である。
お断りしておくが、コリーの子が身体の下に敷いているのは犬用のタオルケットではない。
さらに、もうひとつ。
きわめて遺憾ながら、この部屋はまだだいぶマシな状況であることも付け加えてくべきだろう。むしろたいへんきれいだといっていい。
コリー君は排泄関係をここではなさらないからだ。


2010年11月03日(水) No.78

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