俺 流  [ Perro Dogs Home 預かり日記 ]

放出系




テツは「放出系」である。

「放出系」が何かをご存じない向きは、富樫義博の未完(のまま終わるはず)の傑作マンガ「HUNTER×HUNTER」をお読みいただきたい。
といっても正確には、富樫センセイの「放出系」とテツの「放出」にはほとんど関係ない。

テツの放出系とはすなわち、糞とヨダレと抜け毛を中心とする膨大な放出物全般を指している。

大食漢であるラブはもちろんエネルギーとして吸収した後の大量の残りカスを排出する。(付け加えれば、吸収されたエネルギーの大半は、つねに意味なく浪費されるか妨害破壊行為に投入される)
私は市販のいちばん小さなビニール袋を購入してこの回収用途にあてているのだが、テツのために、わざわざワンサイズ大きなものを購入しなければならなかった。


▲右がテツ・スペシャル

しかしたちまち問題はビニール袋だけでなく、手指のサイズにもあることに気づかされた。
さほど大きくない私の手では、一握りで全貌がつかみ取れないことがあるのだ。

ヨダレは口の両脇にあるヨダレポケット(解剖学的にどう呼ばれているのか知らないが、私はそう命名した)から果てしなく垂れてくる。
私が食事の用意をしている間、テツは可能なかぎり近くでオスワリして自分に損がないよう見張っている。このときすでにヨダレが床に落ちている。
最初は拭いていたが、いまでは家族の誰もが、足裏にヌメッとした液体を踏んだ感触があっても、平然と暮らせるようになった。
食事の際のマテは最短時間で切り上げても、すでにヨダレポケットからヨダレがタラーッと流れ落ちはじめている。

抜け毛は、この点で有名な犬種であるコーギーや柴と比べて、単位体表面積あたりの優劣はわからない。
しかし体のサイズが大きいため、抜け毛の絶対量がコーギーや柴に勝っているのは確実だ。
家中、毛だまりができている。
これまで最悪の体験は、和犬とラブのMIXだと思われる大型犬だったが。

テツが来るべきエコ社会に不向きな犬種であることはたしかだ。

さて、次から数回、これまで私が預かったラブ系の犬たちについて書いてみたい。
最初はラブMIXの子犬たちから――。

※perroで保護募集している154c黒ラブ・キキの日記には、まるでテツのことが書かれているようだ。
ここは、不肖・テツの日記はお休みとして、「詳しくは黒ラブ・キキちゃんの日記をご覧ください」という看板をぶら下げておけばよいのではないかと真剣に考えさせられる。
まあ、サボりたい一心なのだが。
2009年10月01日(木) No.51

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