俺 流
[ Perro Dogs Home 預かり日記 ]
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「360°ビジュアル犬種大図鑑」(interzoo刊、原著のタイトルは「TOP TO TAIL」だというから、また相当に思いきった邦題に変えたものである)という書籍に、ブリタニーについて書かれた次の一節がある。
地面を住みかにする鳥を飛び立たせるといった、ブリタニーが生まれながらにもっている本能
なるほどなあ、と思う。
ただし、これは婉曲な書き方ではないだろうか。
ブリタニーは、「鳥を飛び立たせる」ために追いかけるというより、狩猟的な(もっといえば捕食的な)本能にもとづいて行動していると考えるほうが自然だろう。
そういう目でブリを見ると、狩猟の技術に関しては職人的熟達の域に達している。たしかに生まれながらの大家であるに違いない。
鳥、猫がブリの視野に入ると(視野は広大だ)、そちらに向かって動き(つまりリードを強く引いて)、強烈にガンを飛ばす。
そのままセットするか、最大の自制心をもってしずしずとターゲットに近寄っていく。自分の信ずる射程圏に達すると、突如として躍りかかる。そのときの静止加速の能力は、ボルト以上かもしれない。
ある日、ブリとの散歩中、私は斜め前方の地面にいたハトの存在に気づかずにいた。
私と歩いていたブリはもちろんそれを見落とさず、射程圏に入るや、だしぬけにハトに飛びかかった。
ハトが飛び立ち、その直後をブリがジャンプする。
ほんのわずか及ばなかったが、ブリの顎からハトの尾羽まで10センチ程度しかなかった。名手である。私の知る範囲で、かつてこれほどハトに肉薄した犬はなかった。
(狩猟の心得のない犬は、遠くからまるで喊声(かんせい)でもあげているように突撃するので、鳥はいちはやく逃げおおせる)
ブリは水をいっさい忌避しないから、リードを放してしまえば、ジャブジャブと池に入って水鳥を追うに違いない。
2008年09月09日(火)
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